三光寺は、山口県は宇部市郊外の東岐波にある宗祖親鸞聖人の教えを相続する浄土真宗本願寺派のお寺です。かつて、室町・戦国時代に西国随一の大名として全盛を迎えた大内氏の菩提寺であり、宗派は天台宗、寺号は「菩提寺」でした。『日野山南麓に、旧寺敷、古墳、鎮守あり』との伝承があることから、寺地は、現在の「門前」といわれる地区にあったと伝わっています。「門前」は、寺の門前にあった故の呼称でしょう。
大内氏滅亡の後、当世の住職であった道圓の代に至って一時廃寺となりましたが、その後天正17(1589)年、諸国を遊歴していた道圓は、当時の第11世本願寺門主、顕如上人の弟子となり、法名も了西と改め帰国、天正19(1591)年3月12日、現在の岐波の地に寺地を移して廃寺を再興し、寺号を「三光寺」と改めました。現在の本堂は、天保時代に再建された建物で、門信徒の方々の聞法の道場として、今日まで受け継がれています。